冬の野鳥たち

 冬の野山には、夏より少ないですが多くの野鳥たちがいます。夏よりも木の葉がないので見通しがよく、見つけやすく、じっくりと観察できます。しかし、野鳥の種類を見分けるのは最初、容易ではありません。野鳥図鑑をよく見て、特徴を覚えるしかありません。
 2月の末くらいになると、小鳥たちの囀り(繁殖期のなわばり宣言)が聞かれるようになります。鳥の鳴き声を聞き分けるのもまた訓練が必要です。聞き分けられるようになると、どのような鳥がいるかすぐわかるし、姿を見たとき種類を見分けやすくなります。
 サトシンは野鳥の声を聞き分けるのが得意だったのですが、数年前から写真撮影にはまっています。ここでは北海道の冬に見られる野鳥たちとその特徴を「デジスコ」で撮影した写真で紹介しましょう。また、囀りや鳴き声の音声ファイル(MP3)をリンクしたのでクリックすると聞こえるはずです。
メニュウ
シジュウカラ コガラ ハシブトガラ ヤマガラ ヒガラ ゴジュウカラ
アカゲラ オオアカゲラ コゲラ ヤマゲラ クマゲラ

シジュウカラ(四十雀)

 山林で四季を通してもっとも普通に見られる小鳥です。体長14-15cm。背中の上部は緑黄色で背は青灰色なのが特徴的です。喉から尻にかけてネクタイのような帯があり、この帯の幅広いのがオスで狭いのがメスです。
 カラ類は混群をつくって樹林帯を移動することが多く、群に出会うといろいろな種類のカラを一度に見ることができます。
 カラ類の囀りは皆よく似ていますが、最もよく聞くシジュウカラの囀りを覚えることが基本だと思います。テレビドラマなどの背景音としての小鳥の鳴き声はたいていシジュウカラです。
シジュウカラの動画(WMV)
シジュウカラの囀り(MP3)

コガラ(小雀)

 コガラももっともよく見る小鳥の一つですが、黒いベレー帽に蝶ネクタイといういでたちは、困ったことにハシブトガラにそっくりで、この二種を見分けるのが一番、難しい。ハシブトガラの嘴が少し太いことになっていますが、見ただけでは分かりません。決定的な違いは尾羽の形状(写真左上)で、コガラは丸く、ハシブトガラは角っぽいことです。
 囀りはシジュウカラによく似ており、慣れないと聞き分けが難しい。体長13-14cm。雌雄同色。
コガラの動画(WMV)
コガラの囀り(MP3)

ハシブトガラ(嘴太雀)

 国内では北海道にのみ住んでいます。コガラより嘴が太いので嘴太雀(ハシブトガラ)と呼ばれますが、見分けられるほど太くありません。コガラが針葉樹林に、ハシブトガラが広葉樹林に住み分けているともいわれますが、一緒にいることが多く当てになりません。ハシブトガラは一般に水辺に近いところに多いようです。
 決定的な違いは、コガラのところで書いたように、尾羽の形状で、ハシブトガラは角尾です。見た目には頭に光沢があり、やや丸く肥っているように見えます。
 囀りはあきらかにコガラと異なり、聞き分けられますが、やはり慣れが必要でしょう。体長13-14cm。雌雄同色。
ハシブトガラの動画(WMV)
ハシブトガラの囀り(MP3) 

ヤマガラ(山雀)

 ヤマガラは他のカラ類よりカラフルで見つけやすく、人になれやすいので観察しやすい小鳥です。人の手の上の餌を取っていったりします。
 囀りは抑揚があって聞き分けやすい。体長〜14cm。雌雄同色。
ヤマガラの動画(WMV)
ヤマガラの囀り(MP3)

ヒガラ(日雀)

 コガラよりやや小さく、頭の毛が立っており(冠毛)、喉の黒いところが幅広くよだれ掛けみたいです。数が少ないのかあまり出会いません。他のカラ類のようにヒマワリの実を食べない(殻を割れない?)ため、餌台に来ることがなく見る機会がさらに少ない。
 囀りは少しテンポが速い。体長12-13cm。雌雄同色。
ヒガラの動画(WMV)
ヒガラの囀り(MP3)

ゴジュウカラ(五十雀)

 上記のカラ類はシジュウカラ科ですが、ゴジュウカラはゴジュウカラ科です。北海道のは亜種でシロハラゴジュウカラといわれます。木の幹を下向きに歩くことができる特技を持っています。しかし、木の実などを足で押さえることは苦手で、ヒマワリの実などは木に幹のすき間に差し込んで固定し、割って食べます。
 ゴジュウカラは尻の部分が汚れているように見えるので、山仕事の人たちは「ケツクサレ」と呼んでいました。かわいそうに。
 囀りは大きな声でフィーフィーと鳴く。体長14-15cm。雌雄同色。
ゴジュウカラの動画(WMV)
ゴジュウカラの囀り(MP3) 

アカゲラ(赤啄木鳥)

 ケラ類は一般にキツツキと呼ばれていますが、正式名ではありません。ケラ類で最もよく出会うのがアカゲラで、町中の公園などでもよく見かけます。獣脂を好むので餌台に置くと集まってきます。オスは後頭部が赤いですが、メスは頭部に赤いところはありません。
 ケラ類は繁殖期の囀りをしませんが、木の幹を連続的に突っついて出すドラミングをします。3月頃、山中でドラミングを聞くと「春が来た」という気持ちになります。
アカゲラの鳴き声とドラミング(MP3)
 

オオアカゲラ(大赤啄木鳥)

 アカゲラによく似ていますが、やや大きく、腹部に黒い縦縞があるのがオオアカゲラの特徴です。オスは頭頂が全部赤いですが、メスは頭に赤いところがありません。鳴き声やドラミングもアカゲラに似ていて区別が難しい。アカゲラより数が少なく、なかなか出会えません。
オオアカゲラの鳴き声とドラミング(MP3)

コゲラ(小赤啄木鳥)

 ケラ類の中で一番小さく、アカゲラのように大きな声で鳴かないので目立たないですが、数はかなり多いようです。北海道のコゲラを亜種エゾコゲラとしている分類もあります。
 オスは後頭部の一部が赤いので見分けることができますが、普段はほとんど見えず、興奮すると見えるようになるそうです。上の写真はオスですが、よく見ると目の後の白と褐色の際目に小さな赤点があるのが分かります。また、オスの嘴基部は黒色であるのに対し、メスの嘴基部は褐色です。
コゲラの鳴き声とドラミング(MP3)

ヤマゲラ(山啄木鳥)

 日本では北海道だけにいますが、似ている本州のアオゲラは北海道にいません。数が少ないのであまり見ることはありませんが、ちょっと変わった鳴き声なので、近くにいるとすぐに分かります。
 オスは頭頂部が赤く、メスは黒い縞模様があります。
ヤマゲラの鳴き声とドラミング(MP3)

クマゲラ(熊啄木鳥)


東北地方から北海道にかけての原始林や巨木のある森に住む日本最大のキツツキで、天然記念物です。飛ぶときに独特の鳴き方をするので、近くにいると見つけやすいです。意外に都市近郊にも多くいて、札幌では円山や藻岩山で見ることができます。オスは頭頂部全体が赤く、メスは赤い部分が狭い。