鉱石

〜鉱石ラジオの巻〜



少年の頃、何やらイヤーホーンを付け何やら聞いている少年を見かける。
何が聞こえるんだろう?
暫くたって疑問が解けた、それはゲルマニウムラジオだった。
早速なけなしの小遣いで買ってくる。
聞こえる聞こえる、でも何故。

あれから約30年の時が経過。

例によって本屋で立ち読み、ふと”鉱石ラジオ何某”のタイトルが目にとまる。
そこには芸術的な鉱石ラジオが並んでいた。
いきなりハンドメイド魂が疼いてしまった。

というわけで、・・・








■バリコン、コイルの製作

とりあえずバリコンを作ろう。パーツの中で一番面倒そうなので。
材料はアルミ板、真鍮丸棒、スペーサー等。
必要枚数のアルミ板を接着剤で圧着。このブロック全体を扇状に鉄鋸で切断。
棒ヤスリで仕上げた後にシンナーで接着剤を溶かしてバラバラにする。
こうすれば同形の扇を作る事が出来る。
バラした後に、一枚一枚を整形しながら磨き上げる。
ねじとスペーサーで回転軸の真鍮丸棒に組み上げていく。
製作精度の悪さが全体にひびいてくる。回転させてみる。
なんとか羽どうしは接触していない。
静電容量をLCメーターで測定。
希望どおりの値が得られた。


バリコン バリコンの羽根

つぎは、コイル。
ドーナツ形の木枠を作り長方形のベーク板を差込み、エナメル線を巻いていく。
一定のテンションで巻かないと見た目が綺麗でない。
コイルは途中に切替タップを出す。
取り付け用の真鍮版を木枠に巻き付けた。
これで同調回路のパーツが揃った。
例によってとりあえず祝杯!!まだまだ先は長い。


コイル クロスさせながらエナメル線を巻く



■鉱石検波部の製作


鉱石検波部

次は要の検波器、鉱石はどうして手に入れようか。
山梨は結構取れるらしい。
ハンマーを片手に探索しても見つかるかどうかも判らない。
止む無く今回は購入することに。
感度のいい方鉱石を使うことにする。
適当にドライバーで割って、真鍮丸棒で作ったカップの中にはんだを流し込み固定。
試験管をダイヤモンドカッターで切って筒にし、その両サイドをベーク円板で挟み込み鉱石を入れ込む。
ツマミを動かしながら針で鉱石に接触させ、”さぐり”ができる構造にする。
針はステンレス細線をバネ状に巻き、鉱石への接触部分はヤスリで鋭利にする。
これでパーツは揃ったので、次は箱作り。





■箱の製作
木の板で箱を作り、麻布を張り黒で塗装。
アンチーク調に仕上げた。
真鍮板で銘板を作る。
エッチングしてそれらしくする。


箱の製作

バーニアダイアル、切替ツマミ、端子などを取り付けていく。
だんだんと”らしく”なってきた。
組んでみるとバリコンがスムーズに回らない。
仕方なくもう一度バラし真鍮棒にスリットを入れ、クロスジョイントに加工し直した。


鉱石ラジオ




■ループアンテナの製作と受信テスト


ループアンテナ

アンテナは見た目も美しい、ループアンテナにした。
座板の削りはボール盤でやって見たが、思ったより旨く行った。
角材に糸ノコで中心にスリットを入れたものを2本使い十字の木枠を組み上げる。
スリットにエナメル線を通しながら竹ひごを打って固定していく。
いよいよアンテナをつなぎ、チューニングを取ってみる。
緊張の一瞬、微かに音が聞こえてくる。
鉱石にさぐりを入れ、音の最大点を求める。
受信電界の高い3局しか受信できないが、十分に聞くことが出来る。
暫くの間、聞き惚れる。
なんとも不思議な気持ち・・・


スリットにエナメル線を通して・・



■スピーカーで鳴らしたい

2001年に年が変わってから、ずっと気になっている。
なんとかスピーカーで聞けないものか?
比較的放送局が近所にあるから可能性があるかもしれない。
引き出しを捜すと、フォステクスのFE83が1個あったので鉱石ラジオ用にすることに。


鉱石ラジオ専用SP

エンクロージャーはメーカー推奨の標準タイプにする。
側板は栓、バッフルは米松、ダクトは銅管を使用。
インピーダンス変換用に1.2kΩ:8Ωのトランスを内蔵した。

さて、これを鳴らすには・・・
@大きなアンテナ
A確実なアース
B倍電圧検波
以上の3点で挑戦しよう。
@大きなアンテナ、敷地は狭いためループ状に張ることにした。
線材を張るための枠を木の角材で作りループ状に配線していく。


アンテナ

大きさは270cm×30cmで30ターン、全長約150mになった。
ベランダの軒先に取り付けた。
Aアース、家庭用のアース棒をディスカウントで買ってくる。
スコップで穴を掘り、アース棒を叩き込む。炭を砕き入れ導電率を良くする。
部屋まで太めのケーブルで引き込んだ。
B倍電圧検波、鉱石検波器をもう一つ作ることに。
前回とは違った形のものを作ろう。


パーツ群

真鍮板1mmt、丸棒6φ、12φを切りだし、パーツを揃えていく。
ハンダを流し込んだりして組み上げる。
前回と同様、鉱石のポイントを探れる構造にした。


検波器2号

さて、スピーカーは鳴ることやら・・・
チューニングをとってみる。
鳴っている、予想より音量が小さいが・・・
しかし、夜中などの周りが静かな環境であれば十分ラジオを楽しめる。
ゲルマニュームダイオードとSWで切替が出来るように改造。
鉱石検波器との感度評価をしたが、意外と遜色ない。


スピーカーでラジオを楽しむ

2種類の鉱石を組み合わせた接合型検波器の感度にも期待したい。
ジンサイト(紅亜鉛鉱)を入手。
実験をしてみたが、意外と感度は良くならなかった。
残念・・


紅亜鉛鉱(人工品) 紅亜鉛鉱(天然・ニュージャージー産




Top